ToDo:
https://www.amazon.co.jp/-/en/dp/B099Z4D5MK/
上巻だけ読んだ。それなりに面白かった。面白かったらなんで下巻買わないんだって感じだけど、飽きたのと、書評的に読まなくて良さげな気がしたから……
人間が本質的に善か悪か、てすごく興味のあるトピックで、ただ僕は善か悪かはあまり悩んでない。既にほとんど宗教的に本質的に善と信じてて、その論拠を探してるような立場だと思う。あとまあ「本質的に善」の例外的な反例を見てあれこれ考えるのは好きで、暗いノンフィクションが好きなのは、そういう理由もあるのかもしれない
理由としては、いや普通に考えて99.9%の人間、自分が困ってなかったら悪いことしないでしょ、て実感だろうか。財布落として帰ってこなかったことないし……そりゃわざわざ金に困ってる人や、0.1%の悪人の前で財布落としたら盗られるかもだけど
さてこの本も「人間は善!」と全力で説得する本。説得する理由がちょっと面白くて、多くの人が「人間は悪」と思ってると、実害があるから、と。僕は知らなかったのだけど、プラセボ効果てのがあるけど、その逆のノセボ効果というのがあるらしい。つまり、悪い、と思ってるとホントに悪くなる効果、と。だからいや悪やないんやで、ということに価値がある
現代のメディアは基本的に悪いことを報道するもので(今日のXX市に事件はありませんでした!が報道にならないのは、それはそう)、こりゃいかん、と。ニュース読むと賢くなって良く生きられる気がするけど、実は幸福ポイント落としてるという研究がある、とかなんとか
ただ、「人間は善!」を説得する方法が、あまり僕の好みではない気がする。基本的に、「人間が本質的に悪」の有名な例を使って、この事件、実はこんな真相があるんやで……という感じ。こういう個別の事例を否定する方法では、統計的に意味を持たず、「人間が善」の論拠にはならないように思う。がまあ、「人間は悪」を否定して、ノセボを減らす、というのが目的ぽいので、これで良いのかもしれない。僕が下巻はいいかな……と思った理由はこれ
お前はなんだったら「人間は善」の補強になると思うん?というので思い出すのは「典獄と934人のメロス」とかかな。
https://www.amazon.co.jp/dp/4062196751/
関東大震災で大変なことになって、大変すぎて刑務所で囚人の健康を保全できない、という状況であれば24時間解放していい、という法律に従って、解放した話。934人は家族などに再会でき、家族を助けたりとかもできて、悪行はなく、むしろ善行をしているやつもいた、と。24時間で帰れなかった人も、家族探しが理由で、後から帰ってきたり、別の刑務所に出頭したりとで、最終的に逃亡はゼロだった、と。もちろん囚人とその刑務所の、普段からの信頼関係があったからという話ぽい
やっぱ刑務所は更生の場であって欲しいよねえ、という気持ちを強化する、いい話だった
話を humankind に戻す。この本で否定されている、個別の話は、面白い
有名なスタンフォード監獄実験がウソ!とか。スタンフォード監獄実験というのは、学生バイトを囚人役の看守役にわけてほったらかしていたら、看守役はどんどんサディステックになっていって、次々と残酷なルールや刑罰を設定、実行していった、あまりの惨状に実験は途中で中止、というもの。映画の es とかは僕も見たような気がする
この有名な話の何がウソかというと、どうもこの事件で有名になった心理学者の先生や助手が、看守にかなり指示をしてたんじゃない、ということがあった。指示に従わず、私はそんなことできない、と脱落していった看守もいたとか。テレビ番組が本当にほっておく設定で追実験をしたら、看守と囚人が平和に暮らすだけの、むっちゃつまらない番組が完成したという話も
もっと面白い話として、実験の参加者は、事前に「この実験でサディスティックになる看守の状況が世間に伝わると、現実の刑務所を改善する意義がある」と伝えられていた、ってことがある。参加者としては「心理学の先生の意義深い実験だ、期待にそえるように、心を鬼にして残酷な看守を演じ、社会に貢献しよう」てなもんだ。「地獄への道は善意で舗装されている」を地でいく現象だった疑いがある、と
まあそんな感じで、ひとつひとつの話は面白い。ただまあこう、これを読み続けても「人間は善」のエコーチャンバー的というか、僕にとって都合の良い主張だけ読んでる気がしてきて、なんだかなあ、となるんだよね。この作者自身も、事例取りあげまくりスタイルだと、取材していく中で、この事件は悪でしか説明つかないのでは……というのもあったんじゃないの?とか思ってしまう。 0.1% だかなんだか悪としかいえない人がいるってのは、まあ普通にある気がするんだよな
あとそういえば、僕はハト派タカ派で言うと圧倒的にハト派で、「軍備なんてせんでもわざわざ攻めてこんでしょ」派なんだけど、「人間は善」派はハト派になる、て書いてあって、まあそらそうか、と思ったけど、気付いてなくて、なるほど、と思った。考えてみると、性善説 vs 性悪説、意外と基本的な政治的嗜好に影響してそうね、っていう。そして基本的な信念に根差してるからこそ、説得できる気がしない論点なんかねえ、と。例えば、安全保障が政治の最優先事項、て人とトコトン話しあったとして、どちらかが変わる気があんましない
まあそんな本だった(半分しか読んでないけど)
(10:27)
常温核融合とか、常温超伝導とかと比べて、実現困難さもさることながら、実現したところでなんか嬉しみが今のところなさそう、て問題があると思ってるんだけど、どうなんだろう
半導体とかもそんないいものと思われてなかったけど、作られてみると研究されまくって、用途がガンガン広がった、みたいな反論はあると思うけど、量子情報は実現の前から研究されまくってる気がするんだよな。僕の歴史感では二回量子バブルがあって、賢い人たちがあれこれ考えたけど、未だに「うーん、用途、ある……?」みたいな雰囲気があるような
(12:47)
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