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まだ生きているかはわからないけど、 Googley という言葉があった。意味はかなり多義で、かなり恣意的に運用される微妙な語ではあったけど、「Google 的な良いカルチャーに則っている」くらいに思えば良いと思う。僕は Googler とか Googley とか、個人個人の能力や成果でなく、集団に属していることに誇りを感じるような言葉が総じて好きでないので、あまり使わないようにしていたけど、 Googley なものを尊ぶカルチャーは好きだった
僕が入ったころのグーグルは、「とにかくユーザにとって良いものを作れ、そうすれば金はついてくる」というのを本気でやっていた、と思う。最近ではあまり検索結果と区別がつかない、グーグル検索の出す広告の表示は象徴的なものの一つだと思っている。広告と検索結果の区別がつきにくい方が儲かることは自明だった。けど、かなり長い間、それをやらなかった。「それはユーザに対する裏切りだから」的な価値観だったのだと思う。グーグル検索の背景の変遷についてはここにあるということを教えてもらった: https://atechnocratblog.wordpress.com/2016/07/26/color-fade-a-visual-history-of-google-ad-labeling-in-search-results/
「とにかくユーザにとって良いものを作れ、そうすれば金はついてくる」は僕が入った頃は "Googleyness" の一つだったと思うけど、それは 2013 年頃くらいには無くなっていた、と僕は感じていたように思う。明確な時期は思い出せないけど。いや、背景の一件だけでは「広告のクォリティが十分に高ければ検索結果と区別がつかないことはユーザ利益を損なわない」などと言えそうではある。ただまぁ、なんかいろいろと、良くも悪くも営利企業、株式会社、ぽくなっていっていたと思う
それでグーグルが嫌いになるかというと、そこまででもなかった。依然として他の企業に比べて、美徳と言って良さそうな文化をいくつも維持しているように思っていたし。ただ最初の5年の方が、僕はグーグルが好きだったし、 2013 年頃にはだいぶ冷めた感じになっていた、という感じかなと。まぁ正直グーグルが美徳を犠牲に株価を上げれば僕の収入も増えるという利害があるという話もあったし、一般に会社というものにそれほど期待していないということもあったし、「それはそれでいいか」くらいの感じだったかなと
その後、グーグルは寡占に成功したプロダクトについては、ユーザの利益や使い勝手の向上をどんどんと軽視していく度合いを強めている、と感じている。これは会社を辞めてから特に顕著に感じている。一番このことを感じるのは、 YouTube に出る広告の頻度だろうか
今の僕は、ユーザとしては、正直グーグルはそんなに好きな会社じゃなくなってしまったなぁ、という感じ。僕は、グーグル検索に感動して、 maps とかにも感動して、入社して「ガチでユーザファーストでいくで」的な志の高さに感心したような人間なので、残念ではあるが、グーグルも普通の大企業になるということなのかなぁと、まぁしょうがない
でもまぁ、同じようなことを感じている人であっても、社員として働いていれば、やはり依然としてまだまだ良いところもあるぞ、という感じだったのだと思う。実際去年までは、僕も「割と普通の会社になってきていると思うけど、それでも働きやすくて良い会社だと思いますよ」的なことを言っていたように思う
今回のレイオフでは、「従業員を大事にすることによって、安心して良いものを作らせる」という美徳も失いそうで、これは対ユーザでなく対社員の美徳であるという点で、厳しそうだなぁ、と思う。 https://anond.hatelabo.jp/20230304143420 が中の人かは僕には判定できないけど、労働組合について、「会社にしがみつくためというよりは、社員を大事にするというGoogleのカルチャーを守りたいという動機をもった人がほとんどです」というのは、かなり説得力があるなぁ、と実感する感じ。別に何もしないが、応援したさがある
あとそういえば、ハタから見ると「とにかく技術的イノベーションを重視する」みたいな美徳も減ってきてそうな気がしているけど、どうなんだろう。このへんは中にいないとわかりづらそうではあるが……なんにせよ、グーグルらしい、グーグルを良い会社たらしめている美徳は、あといくつ残ってるんだろうなぁ、と
(01:35)
https://twitter.com/dennou319/status/1632915348642222080/retweets/with_comments
よくわかってないけど、原作から結構離れた実写化がされて、それを嫌がる原作ファンを、厳しくたしなめる原作者、という感じなのかな
僕も映像研好きだけど、あまりそれは読み取れなかったな、という感じで、面白い
(12:36)
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Google 社内文化の変化について CNN が記事を出してました。
https://edition.cnn.com/2023/03/20/tech/google-layoffs-employee-culture/index.html
一時期は手厚い福利厚生と自由闊達な雰囲気で社員に愛された会社が、成長もしくは経営環境の悪化に伴って普通の大企業になったり吸収合併や倒産の憂き目を見た事例は、探すと色々出てくる気がします。IBM, HP, DEC, AOL, etc...
Microsoft Window NT の開発を追った「闘うプログラマー」という本がありますが、これを読むと、おそらく Microsoft も Windows NT 開発前後で社内文化が大きく変わっています。前にこの本を読んだときは「巨大プロジェクトを完遂したデービッド・カトラーすごい」という感想でしたが、今もう一度読み直したら、私は初期の Windows やオフィスアプリケーション開発に携わって、Windows NT 開発中に Microsoft を離れたエンジニアに感情移入しそう。
ありがとうございます。とある大学の先生が、グーグルオフィスに来て、「ここは SGI の跡地だけどそのうち SGI みたいになるのかね」的なことを言ったという話が好きです。盛者必衰みがあるというか。グーグルも DEC や Sun などから来たエンジニアが技術的な基礎を作ったイメージがあって、グーグルが落ちぶれればグーグルから出た人々が、また次の華々しい会社の基礎を作ってくれる、と期待できて楽しみではあります
IBM や MS みたいに、白色矮星的に地味な大企業になるのか、無くなってしまうのか、あるいはまだまだ最強企業の一つとして戦っていけるのか、というのも楽しみです