ToDo:
G+ に似たような趣旨のことを書いたことがあるけど、寿司 Advent Calendar 2014 向けに気合いを入れて書きました。
http://www.adventar.org/calendars/514
英語できなくて車免許持ってないので不便極まりないが、アメリカにたぶん10回越えで行ってて、あわせると延べ1年くらいは滞在したんでないかと思う。そんな僕がアメリカに行く楽しみの一つとしているのがアメリカ寿司である。
本題に入る前に僕の味覚について書いておく。僕の味覚は子供仕様なので、なんだか色んな味が混じったような食べ物がだいたい好きである。ハンバーガーとか、ラーメンとか、カレーとか、ブリトーとか、そういうやつ。ごちゃごちゃ乗った丼とかも好き。ビビンパとか海鮮丼とか。一方で、焼肉ステーキ刺身などのおいしさは、あまりよくわかっていない。日本の寿司も好きではあるし時々食べるけど、すごく好きということはない。あと基本的にアグレッシブなものが好きで、変わった食べ物はたいていおいしいものとして認識される。こういう味覚なんで、以下の記述は適当に差し引いて下さい。
アメリカの寿司が好きだと言うと、半分くらいの人は、「カリフォルニアロールとか?」と聞いてくる。違う。あれは初心者用のアメリカ寿司で、アグレッシブさが全然足りない。ロスではあんなものは子供しか食べない(適当)。
僕がアメリカ寿司の基本形だと思っているのは、ドラゴンロールである。と言っても、アメリカ寿司ってなんかみんな適当に名前をつけている気がするので(グーグルロールとか)、全国でドラゴンロールが統一されてるかは謎…まぁ僕の観測圏ではドラゴンロールというとこういうものである。
これはサンフランシスコ空港のフードコート的なところの、うどんとかラーメンとか、安っぽい日本料理を出す、つまり地方のスーパーのフードコートの、とりあえず子供の腹ふくらませる以外の用途が無い系の店。この合羽橋で1円とかで買えそうな使い捨ての器。だけど、アメリカ寿司だけはうまい。
まず見て取れるのは、海苔で巻いてないということ。アメリカ人はあまり黒いものを食べたがらないという話が本当かウソか知らないけど、基本アメリカ寿司は海苔じゃなくて、アボカドだの魚だので巻く。海苔を入れる場合は海苔巻のまわりにまた米をつけて魚で巻く感じになると思う。あとやたらトビコがかかっている。安っぽく味の種類を増やす感動的な工夫と言える。かかっているソースは醤油じゃなくて、なんかてりやき系のなにか…まぁ蒲焼だと思えばいいと思う。
で、ドラゴンロールの名前の由来はたぶん、中に入ってる海老フライ。生じゃなくて揚げた海老である。日本の感覚からすると狂ってると思うかもしれないが、天むすのうまさを考えるとこの発想に至れなかった日本の敗北と言える。こういうものをアボカドと安っぽいウナギで巻いたのが、まぁよくドラゴンロールと呼ばれていると思う。
ちなみに $7 とかそのくらい。この店では高級な部類だけど、まあ安い。サンフランシスコ空港行くとだいたいこれ喰ってると思う。機内食が僕には多いこともあり、飯の量がクソ多いアメリカなのに、だいたいちょうど良い量なのが嬉しい。
次はこれ。たしかバイパーロールと呼ばれていた。
外は焙った魚。アメリカ寿司では火のかかった寿司は多いと思う。七味、マヨネーズ、あと何故か大根がおしゃれに盛りつけられている。中身はたぶん、砕いたマグロとクリームチーズとキュウリとかそのへん。そうクリームチーズも割とよく使われるが、悪くないと思う 。
もっとアグレッシブなものに行こう。
左はスパイダーロールという名前で、入ってるのはソフトシェルクラブ、カラごと喰えるカニの天麩羅である。右下の物体、こっちはもっとアグレッシブで、ハラペーニョボムという名前だった。ハラペーニョ(唐辛子とピーマンの間くらいの何か)の中にカニカマ、ネギトロ、クリームチーズ、それに米を入れて、全体が揚げてある。そろそろ寿司なのかよくわからない感じになってきた。
全体を揚げてある系の寿司は、結構多い。ただ、注意点としてはかなり胃がもたれるので、揚げてある系を二つ頼むのはよくないということかな。ロスのオシャレ気味寿司屋で喰ったこれなんかはおいしかった記憶がある。見た目もあでやか。
もっと寿司じゃないものを。
もうなんだかわからないし、何が入ってたかもよく覚えてないけど、記憶が確かならチーズシーフードグラタン的なものだった。たしか米が入ってなかったので、もはや寿司というよりグラタンかもしれないけど、ワサビ風の味がしたので、専門家的には寿司の要件は満たしているのである。ほら、左の方のコップ、寿司屋ぽいでしょ。
寿司屋と言えば、店自体も謎進化を遂げている。回転寿司と舟盛りが謎解釈をされた結果だと想像しているが、向こうの回転寿司ではよく舟が回っている。皿が回ってるよりは高級感があって合理的である。さすが合理主義の国。
寿司が乗ってたり、それ以外のもの、たこ焼きとか餃子とか、寿司ちゃうやんというのが回ってるあたりは、日本の回転寿司でもある感じではある。いやたこ焼きはあまり回ってない気もするけど…回ってるのをスルーして注文するのも日本と同様。
僕がアメリカ寿司に目覚めたのは、たぶんこの blowfish sushi という店だと思う。
この店は店自体がおかしい。場所は超オシャレタウンにあって、シャネルとかがあるような場所にある。結構高級で、若者がデートに使ってたり、中も薄ぐらくてオシャレ。だけど、何故かメニューにアニメだかマンガだかのキャラが使われていて、店内のディスプレイでアニメが流れている。何故こんなデートスポットが存在するのか、よくわからない。
サイトを見てもおかしさが伝わるのではないかと思う。
ここの定番メニュー(たぶん)は、僕がネルフ本部と呼んでいる物体で、こういうやつ。
アボカドと、サーモンのくだいたやつと、マグロのくだいたやつが、ピラミッドになっている。なんだかハチミツニンニクショウガ醤油的なものをかけて、ぐちゃぐちゃ混ぜて、ポテチに乗せて食べるらしい。ほっとくと店員がぐちゃぐちゃ混ぜてしまうので写真が撮れなかった。
個人的にはポテチには乗せない方がうまいと思うけど。ちなみにこの店、日本で修行した人がやってるらしい。
とまあこんな感じ。日本の寿司を期待して行くともちろんガッカリするし、紹介した店の大半が日本の寿司を頼むと、すごいガッカリなものが出てくるような店だけど、しかし何か新しい料理と考えるととてもおいしいと思っている。
いつも言ってることなんだけど、こういう、他国の文化をむっちゃくっちゃにアレンジするのは、むしろ日本のお家芸のはずだ。元々は中国だかインドだか由来な気がしなくもない、日本の代表的料理、ラーメンやカレーもそうだし、日本に大量に存在している(本格でない)「中華」「洋食」あれ日本の料理だよね。学生街とかによくある定食屋にあるようなやつ。
僕は日本が好きなのか、未だによくわからないけど、そういう食文化は好きだ。あなたが青色ダイオードを実用化した人種であることを誇るなら、それと同じくらい、ナポリタンやイタリアン(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%B3_%28%E6%96%B0%E6%BD%9F%29 )を開発し、あまつさえ素頓狂な命名を行なった国家であることを誇るべきである。誇るべきなんです。
それなのに、元々自国の料理だった寿司を自ら魔改造できなかったのは、大変残念なことだと言える。ケントベックも言っている。変化を抱擁せよ。
日本のアメリカ寿司事情はお寒い。日本の中ではおそらく最高クラスにアメリカな六本木でさえ、良い本場の寿司には出会えない。権八という、あの映画 Kill Bill で使われた(ちなみに僕はそんな映画見たことない)、アメリカ人が大好きな(偏見)店でさえ、かろうじてカリフォルニアロールに毛が生えた程度の本場の寿司を、アメリカの倍の値段で提供しているレベルである。
まずは認めよう。寿司はアメリカの料理であると。日本の「寿司」屋におかれましては、本場の寿司を輸入して、魔改造していってほしい。たぶん、名古屋人ならできるよ。
自分で書いておいてなんだけど、何言ってるんだコイツって感じだな…寿司 Advent Calendar てこんなのでいいんだろうか…
あと寿司画像を集めたアルバムを作っておきました。
https://plus.google.com/photos/101346259708096774693/albums/6088155322417705617
(00:42)
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