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ToDo:


2022-06-23

_ 続続 MMT

なんとなく色々見た感想として、印象としては非常に悪いものに倒れている。数ヶ月前は、正しいなら興味深い物の見方、間違ってるなら賢い人が間違えるパターンとして楽しそう、という感じだったのだけど、最近の興味は後者に倒れている

正直いろいろ間違ってそうだが、思っていることを書く

MMT 好きの人がよく言っている「通貨発行権持つ銀行が買う国債は金を増やしているだけ、税金は金を減らしているだけ」論は、正しいと考えている

「国債が無限に増えても通貨発行すれば良いだけなので、デフォルトの必要はない」も真だと思うけど、極端な話全国民に 10^100 円発行してばらまければ円は崩壊するけどデフォルトの必要はなく、そりゃ正しいけどだからどうした的な話に思っている

そういう感じで、用途はなんでもいいからとりあえず通貨作りまくってばらまけ、という人もいるのだけど、単なるムダなバラマキすれば破滅するのは自明なので、 MMT の人もまともな人はそこはちゃんと言っている気がする

まあそんなこんなで「MMT 的なものの見方も「普通」のものの見方もたいしてかわらねえなあ」という気持ちになっている

結局、理論は言い方が違うだけどたいして結論は変化なく、現状認識の違いなんじゃいかって気がしている

現状認識で言うと、国債の量がすごいことなってる日本こそがもっとも MMT に近いという話があると思う。これに賛同する MMT の人は、だからこそ他国をさらに引き離すためにもっと MMT やるべきってなっているのか、それとも現状日本は全然 MMT でないのか。このへんよくわからん

今現在インフレでなくてデフレ継続中だと言う人すらいるが、そこはなかなか厳しそうだ

(02:20)

本日のツッコミ(全9件) [ツッコミを入れる]
_ soda (2022-06-24 01:11)

コアコアCPI(生鮮食料品およびエネルギーを除く消費者物価指数 https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf#page=10 )で見ると、2021年4月から2022年3月はデフレですね。今のインフレは景気改善のせいではなく、COVID-19と戦争で供給が足りなくなって起きているので、実需で見れば間違いなく不景気だと思います。
日本がこれだけ金融緩和しているのに景気が悪いってことはすなわち政府が支出を絞りすぎている(==税をとりすぎている)ってことなので、日銀はともかく、政府の方はMMTとは真逆だと思います。

_ soda (2022-06-24 01:11)

コアコアCPI(生鮮食料品およびエネルギーを除く消費者物価指数 https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf#page=10 )で見ると、2021年4月から2022年3月はデフレですね。今のインフレは景気改善のせいではなく、COVID-19と戦争で供給が足りなくなって起きているので、実需で見れば間違いなく不景気だと思います。
日本がこれだけ金融緩和しているのに景気が悪いってことはすなわち政府が支出を絞りすぎている(==税をとりすぎている)ってことなので、日銀はともかく、政府の方はMMTとは真逆だと思います。

_ shinh (2022-06-28 00:53)

おお、詳しそうな人が。ありがとうございます

僕は「金融緩和しているのに景気が悪いってことはすなわち政府が支出を絞りすぎている」の理屈がわからないように思います。この文は「金融緩和すれば必ず景気が良くなる」を仮定していると思うのですが、あまり真と思えないのです。「緩和すれば景気が良くなる傾向がある」はまあそうなんでしょうけど。論理の流れが納得できないだけで、結論の「税をとりすぎている」の真偽は僕にはわからないです。というのは N 円投げ込んだけど N 円より少ない金しか回ってない原因として、税金だけでなく、単にムダな貯金になったお金とかもありそうで

ここのコメント欄てなんか通知来るようにしてあった気がするのだけど、なんか来てなかったので、まるで見てなくて、お返事遅れてしまいました、すいません

_ soda (2022-06-28 18:04)

投資に行くべきお金が貯蓄に向かう最大の要因はデフレ(ないし低インフレ)と将来への不安ですよね。
将来への不安も、低成長と国が十分に社会福祉へ投資しない/できないことによる老後の不安が大きな原因なわけで、結局まずいのはデフレ(ないし低インフレ)と、政府の支出抑制策なわけです。
デフレの原因は景気が悪いことで、景気が悪いせいで投資が不十分となりますます景気が悪化するわけですから、まずいポジティブフィードバックがかかっている状況であり、このフィードバックを強制的に断つ必要があります。
金融緩和に景気の底上げ効果がある(現実に景気が良くなるかどうかは別として、良くする方向の効果は間違いなくある)のはOKとして、政府支出増大にも同様な、しかももっと直接的な効果があります。
これは国が借金してでもお金を使えば、無視できない規模の需要を強制的に作り出せることから明らかだと思います。
放置すればまずいポジティブフィードバックを止められないわけですから、国が無理矢理需要を作り出すことが、まずいポジティブフィードバックを止めるための手段になるわけです。
金融緩和も政府支出増大も、どちらも過剰なインフレ(下手するとハイパーインフレ)を起こすリスクがあり、財務省が財政規律を重視するのは、野放図な支出増大でそういったリスクを現実にしてしまわないような責務を負わされているからです。
しかし現実には過剰なインフレどころか、資本主義経済が正常に回るための2%程度のインフレさえもずっと達成できない状態が、消費税増税による物価上昇の年を除くと30年間も継続中なわけで、限界まで金融緩和しているのにまずいポジティブフィードバックを止められていない以上、政府の緊縮が行き過ぎていると言えると思います。

_ shinh (2022-06-29 21:55)

詳しい説明をありがとうございます!ロジックを理解できた気がします

> これは国が借金してでもお金を使えば、無視できない規模の需要を強制的に作り出せることから明らかだと思います。

の部分までは、完全に同意できます

> 放置すればまずいポジティブフィードバックを止められないわけですから、国が無理矢理需要を作り出すことが、まずいポジティブフィードバックを止めるための手段になるわけです。

からは、有望な手段の一つになることは理解できるのですが

1. 僕は政府支出の対象に良い悪いがあるように思っていて、極端な話タバコ産業に国の金全部つっこみます、とやるより良い対象は普通に考えてあるだろう、と思っています。反緊縮の人で「対象はなんでもいいからとにかく金つっこめばいいんだよ!」という人がいるように思うのですが、これには同意できていないです
2. 1の僕の理解が正しいとすると、現状日本の産業って基本斜陽という理解で、1に書いた良い対象が少なく、かなり分の悪いバクチをやることになるのでは、という懸念があります
3. 2の懸念も正しいとすると、「そうは言ってもほっといて悪循環が止まることは無いんだから、政府支出増やした方が良い」という感じなのでしょうか

カンで言うと、まともな反緊縮の人は2あたりで「いや普通に考えて極端なばらまき方しないわけで、普通にバランス考えてばらまけば、ほどほどに良い結果になるんだよ」と主張される感じでしょうか。仮にそうだとすると、「いいもの作れてないのに金つっこんで売れないもの作ってもしょうがないような」「金つっこんでないからいいもの作れてないんだよ」のようなことを、両方とも思う感じになります

過剰なインフレに関しては、現在の円安は既に心配な要因ではないでしょうか、というのは気になるところです

ねんのため僕の立場を書いておくと、僕はどっちが正しいとも判断できない、と考えています。単に正解不正解を判断できるだけ自分に知識がつく気がしない、という理由からです。というわけで、僕自身がどちらが正しい、と考える日はたぶん来ないんじゃないかな、と思っています。ので、単に soda さんの時間をムダに使わせてしまっているのでは、というのは懸念としてあります。とはいえ興味があるので、 soda さんのようにまともな人に説明していただけるのは、こちらとしてはとてもありがたくはあります……!

_ soda (2022-07-01 03:45)

1. について。
政府支出の対象に良い悪いはあるでしょうね。
良い悪いには複数の評価基準があって、たとえばタバコ産業だと国民の健康を害するという意味で悪いし、あるいは景気刺激効果が少ないという意味で悪い分野もあるでしょう。
ただ、どんな対象への支出でも景気刺激効果はあるわけで、何もしないようりはマシという判断もできるかもしれません。
でもせっかく支出するんだったら、よりよい方面に支出したいというのは当然だと思います。

2. について
とりあえず古典的な土木建築方面(老朽化しつつあるインフラの更新)とか医療とか介護とかであれば国内でお金が回るからいいんじゃないでしょうか。
海外からモノを買う的なお金の使い方は国内の景気の刺激にならないのでダメだと思います。
将来性のある分野への投資は、僕は国がやる必要はないと思ってます。そういう投資は資本主義経済に任せるのが一番うまくいくというのが分かっているわけですから、国が下手に手を出しても、その分野の発展をいびつにする可能性が高いのではないかと。
企業がやらないような基礎研究方面なら国が支出してもいいですけど。

インフレについては、現在のインフレは景気過熱のせいではなく、COVID-19や戦争のおかげで供給不足に陥っているのが原因ですから、利上げは絶対避けなければいけません。
欧米の場合、大規模な減税のおかげで景気がやや過熱気味になったために利上げしたわけですが、米国なんかは利上げのせいで景気が一転急激に冷え込んで相当にまずい状況のようです。
日本の場合、減税どころか増税傾向であり、景気は過熱どころかずっとデフレだったわけで、この状況で利上げしたら大不況となって真剣にまずいです。
円安については、長期的に見れば国際競争力を回復させますから、あまり神経質になる必要はないと思います。
もちろん円安で上がる燃料費や材料費への対策は必要ですが、それは利上げではなく、減税や金銭援助で行うべきでしょう。

_ shinh (2022-07-04 10:42)

1 については納得です、ありがとうございます

2 についても基本的に納得なのですが、国内産業が弱い状態で土木建築医療介護にお金入れても、その後国内でぐるぐる回るなら良いのですけど、結局給料になった後海外製品買う比率が高いと厳しくないのかな、は思ってしまいます。とはいえ「金が無いから産業弱いんだよ」とか「何もしないよりマシ」などで理解できる面もあります

あと、「将来性のある分野への投資はやる必要はない」はなるほどですね。なんとなくやった方が良いような気がしていたけど、おっしゃる通りに思えるなあ、となりました

インフレについては、理屈は理解できると思うのですが、経済ってなんだか難しいものという印象があって、単純化しすぎではない?という疑問が残ります。基本的には「過度なインフレ→金配る量減らすか税金で取る、デフレ→金配るか税金減らす」というアルゴリズムだと思うんですが、個々の国の状況とか考えず常に適用するのが良いものなのかな、などと

_ soda (2022-07-04 15:20)

(URL入りでポストすると 502 Bad Gateway となる気がするので h t t p s 部を省略しています)

「給料になった後海外製品買う比率が高いと厳しくないのかな」については、政府支出の分野別に乗数効果を調べた結果が参考になると思います。
URL: note.com/savemedsavelives/n/n3743956217d2
にあるように、医療や社会保障、あと前回書き漏らしましたが教育分野の乗数は大きく、たとえば教育だと政府支出の8倍近い経済効果がありますから、杞憂だと思います。
介護なんかはメカニズムとしても分かりやすくて、公的介護がなく私的介護に頼った場合、仕事をやめて自宅介護をすると、その人のGDPへの寄与はゼロになるわけですが、職業的介護だと1人で3人程度を介護することができますから、介護方面へ適切に投資することによって、GDPはゼロから、4人分程度(職業的介護の場合、介護作業自体もGDPに入るので、それを含めて1+3=4)に増えることになります。
建設系も以下の一番下の図表1-4-18にあるように他産業への生産誘発効果は高いようです。
URL: //www.mlit.go.jp/hakusyo/kensetu/h12_2/h12/html/C1132200.htm

「個々の国の状況とか考えず常に適用するのが良いものなのか」日本に関して原則論に当てはまらない事象が観測されているのであればともかく、そうとは言えないわけですから、現時点で懸念する必要はないのではないでしょうか。

_ shinh (2022-07-05 09:29)

乗数について、へええこういうデータがあるのですねえ。介護の乗数はわかりやすいですね。 IT とかだと僕に金渡しても使い道なくて貯金しちゃうからな……と思ったけど、それにしたって関連会社とかも回りますしねえ

原則論と例外についても、おっしゃる通りだと思います。これについては僕は特に各国の事情を知らないので(日本厳しそう、アメリカと中国強そう、他は知らん、という感じ)、「なんか知らんけど国によって色々あるんと違うの」と特に根拠なく考えていたということがありそうです。よくも知らんのに想像ベースで考えるのも良くなかったですね、すいません

しかし MMT ぽい(?)言説見ると身構えるようになっていたのに、説得されてしまいましたね……ありがとうございます!

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